イスラム地域における天然の歯ブラシ:イスラム地域

 

“Miswak” By:Iqbal Osman CC BY 2.0

ミスワークはアラクと言われる木の根からできている天然の歯ブラシです。中東、アラブ圏やイスラム地域で現在でも歯ブラシとして使われていて、ミスワーク、またはスィワークと呼ばれています。

この言葉はもともとアラビア語で、口の中を清潔にするために使う道具を意味します。アラクは英語で「Toothbrush tree」とも呼ばれています。つまり「歯ブラシの木」です。

この天然歯ブラシは昔、アラビア半島だけで使われていましたが、1400年以上前、イスラムの指導者である預言者ムハンマドが推奨したことで、世界各地のイスラム教徒に伝わりました。

天然の歯ブラシの原料「アラク」とは?

前述したように、ミスワークの原料はアラクの根ですが、アラクに含まれている成分は単に歯を磨いてきれいにするということだけではなく、抗菌作用はもちろん、多くの効能があります。

口臭や歯石を防ぎ、口内炎や子供の虫歯予防、消化器にも効果を発揮します。そのため、ミスワークの成分を使用している歯磨きもあります。そして、この成分の研究は今も進められています。

アラクの生息地と代替品

アラクはどこの国にでも生息しているものではなく、サウジアラビア、スーダン、南エジプト、チャド、そして東インドのみに自生しています。

一方、アラクが生息していない国では、ミスワークを他の木から作ることもあります。例えば、モロッコでは樹皮、インドではインドセンダン、(ニームの木)をアラクの代わりに使用していますが、アラクから抜き出す成分が最も質の良い材料と考えられています。

天然の歯ブラシ「ミスワーク」の使い方

ミスワークは木の細い枝のような形になっているため、初めて使用するのに加工が必要です。先端部分、約1.5cmの樹皮をナイフで剥ぎます。そうすると、木の繊維が歯ブラシの形になります。その状態で先端が固い場合は、2時間程度水につけます。その後、先端の繊維を直接歯の表面に当てて、歯を磨きます。

一般の歯ブラシと違い、歯磨き粉をつけずに使い、長い時間磨けば磨くほどより歯がきれいになります。そして、使用後は、毎回必ず洗浄する必要はありません。また、ある程度使用頻度が高まったら、先端を切り、新しい先端の部分を剥ぎ、再度使用できます。

近年の若者は通常の歯ブラシを使うように

現在、ほとんどの若者が通常の歯ブラシを使用しているので、ミスワークを使用しているのは比較高齢だと思われます。
日本では天然の歯ブラシがあること自体、あまり知られていないかもしれませんが、イスラム地域に訪れる機会があれば、実際にミスワークを試してみると面白い体験になるかもしれません。