クルド人とは:クルド地域

NewrozBy: jan Sefti CC BY-SA 2.0

歴史家のWilliam Westermann氏は、クルド人を国家ではない最大の民族グループと定義しています。約3200万人がクルド地域と呼ばれるトルコ東部、東南部、イラン西部、イラク北部、シリア東部、ヨーロッパ諸国で生活をしています。クルド人は7世紀以来その地域に住んでいますが、彼ら自身はそれらのどの国家にも属していないと考えています。彼らは常に独立国家という夢を持っており、1991年にその夢はイラク国内において実現しました。これに続いてシリア国内においても、独立国家の実現を多くのクルド人が望んでいます。

大抵のクルド人はイスラム教徒ですが、他にもヤズィーディ教徒、キリスト教徒、アラウィー教徒がいます。
そしてクルド人はクルド語を話しますが、イラクでもシリアでも正式に認められず、禁止されていました。クルド語はインドヨーロッパ系のイラン語分派と言われています。しかし、クルド人はイラクでもシリアでもアラビア語も話さなくてはなりません。それは両政府が「アラブ化」という政策を導入したことに起因します。この問題は2010年6月にUNHCR ※①によるレポートで、「学校や職場におけるクルド語使用の制限」という議題として扱われました。
クルド人はほとんどがイスラム教徒ですが、イスラムの教えに拘らず、独自の習慣を持っています。例えば、多くの女性が頭にスカーフを被らずに、男性と共に様々な活動に参加しています。また、家族の遺産は父親から息子たちだけに均等に相続しますが、女性には分け当たえられません。そして、一夫多妻制もほとんどありません。
クルド人は独自の文化を持っています。その文化の中でも、3月21日に行われるNewroz(ノウルーズ)というお祭りは最も大切に扱われています。ノウルーズはイラン暦の元日で、ペルシア語でノウは「新しい」、ルーズは「日」を意味します。Newrozでは、クルド語の頭文字が「S」で始まるものを7つ集めてお祝いします。何を集めるかは家庭によって異なります。その中の代表的なものとしては、リンゴ「sīb」、ニンニク「sīr」、酢「serke」、コイン「sekke」、スーマック(ウルシ科)の実「Somāq」、青草「sabzeh」と麦芽のお菓子「Samanū」です。しかし、シリアとイラクの両政府は、Newrozを行うことを禁止していました。</p>
またクルド人同士の結婚の際、花嫁と花婿の二人の家族が結婚に伴う緒準備を行います。家族間の絆を深めるために新郎新婦のいとこがその準備を行うのが一般的です。また、花婿は花嫁に持参金(マフル)※②や金のアクセサリーを贈ります。
イラクとシリアのようにクルド人が多く生活する国においてもクルド人が言葉の壁を越え、アラブ人と共存するのは簡単ではありません。それでも一部のクルド人はその壁を超えて、アラブ人と共に生活を送っています。各国で生活するクルド人が独自の文化を認められ、独立した国を実現する日は来るのでしょうか。
※①UNHCR: (The United Nation High Commissioner For Refugees)国際連合難民高等弁務官事務所
※②持参金(マフル):結婚契約を結ぶとき、愛情と尊敬の証として男性が女性にお金を贈ること。