アラブ諸国に深く根付く家族間の結婚 : アラブ諸国

“Marriage” By: Charles Fettinger CC BY 2.0

近親結婚とはいとこ同士の結婚を意味します。アラブ諸国において、家族の中で資産を守り、絆を強めるための伝統的な習慣です。
近親結婚は世界各地でよく知られていますが、アラブ諸国ではいとこ同士の結婚率が世界のどこよりも高く50%を超えていると言われています。
研究者の話によると、近親結婚は遺伝性疾患の確率を5%高めるにもかかわらず、依然として深く根付いています。リヤードの病院で働くSami Nouh Hasan先生によると、いとこと結婚することによって、20種以上の遺伝子性疾患の1つが発生する可能性があります。例として、乳児死亡、出産欠陥、学習困難、失明、聴覚困難、代謝障害などが挙げられます。

イスラム教では近親結婚を禁止することも促進することもしていません。事実として、預言者Mohammedはいとこと結婚していました。そして女の子が生まれ、その子は血のつながる人と結婚し、預言者は二人の結婚をお祝いしました。一方、一部のイスラム研究者が預言者の指導である「ハディース」※1を参照し、そこでは家族の中の人ではなく外部の人と結婚することを勧めています。ただ、これは研究者の間でいまだに議論されています。

キリスト教とユダヤ教も近親結婚を禁じておらず、旧約聖書ではいくつかの例が挙げられています。しかし、ローマのカトリック教会は家族関係に関するいくつかの禁止事項を作り出しています。

オーストラリアにあるムルドシュ大学のAlan H. Bittles先生はいとこ同士の結婚に関する一般的な誤解を法的、文化、宗教そして医療の視点から、彼の著書「Consanguinity in Context」のなかで解説しています。まず、彼は「近親結婚による健康的な影響はかなり誇張されている」と述べています。しかし、「両親が近い親戚である子供たちは遺伝疾患のリスクが間違いなくある」とも述べています。「近親結婚について世界中で行われた調査によれば、その人たちはほかの人より病気がある又は早死にする可能性が3~4%高まる」また「近親結婚をする人の90%以上は、彼らに子供ができた場合、遺伝的な障害を持つリスクが一般の人と同じ割合である」とBittles 先生は考えています。

2013年にエジプトの国立研究センターで、精神障害を患う子供100人を対象に行われた調査によると、65%の子供たちの両親は血縁関係だったという結果を示しています。

多くのアラブ諸国では夫婦が結婚する前に、遺伝子的な検査を受ける必要があります。この検査は二人が将来持つ子供に遺伝的な障害が生まれるかどうかを確認することができます。
このような疾患のリスクによって近親結婚率が減ると期待されていましたが、これはアラブ文化の根深い習慣であるため、実際は大きな変化が起こるまでかなり時間がかかると言われています。

※1ハディースとは、イスラム教の預言者ムハッマドの言行録を意味します。
(パンオリエントニュース)