中東諸国の書籍事情

“bookstore” By:baklavabaklava CC BY-NC 2.0

近年では電子書籍も一般的になってきていますが、2016年現在、未だに市場規模では紙書籍のほうが遥かに大きいです。現在、中東諸国において紙の本の売上が記録されるなど、紙の本への注目度が高まっています。そこで今回は中東諸国における出版業界、特に児童向け書籍についての話を紹介したいと思います。

児童向け書籍の売り上げが上昇中のモロッコ

モロッコでは最も歴史のある「La Librairie des Colonnes」という書店で、児童向け書籍の売上が伸びています。モロッコの公用語はアラビア語ですが、ここではアラビア語の本よりも、フランス語・スペイン語の本を多く取り扱っています。そこには、裕福な家庭の子どもたちは国際学校に通い、フランス語やスペイン語で勉強しているという背景があります。また、児童向け書籍を書く作家にとってもそれらの言語で行う出版作業の方が簡単であり、外国からの本の供給不足を補うことにも繋がりました。現在、モロッコを含むマグリブ地域において、アラビア語の児童向け書籍は外国語の本を翻訳する傾向があります。

児童向け書籍専門会社が設立されたUAE

次に、UAEでは初の児童向け書籍専門出版会社が設立されました。経営者の女性は、書店で手に入る本の内容や質に不満を抱いていました。そこで、子どもたちにより良い本を読ませるために自ら起業しました。この会社では可愛い挿絵が話題となって、伝統的なアラビア文化を子どもの日常と共に描いた本を出版していて、これからも児童向け書籍を紙の本で世の中に送り出していきたいと考えています。

今回紹介した以外にも、宗教上のタブーと考えられてきたことを題材にする作家や本の読み聞かせを行うことで子どもたちに本の良さを説く女性、更には有色の女性ヒーローの漫画など、多くの取組みや挑戦が人々に元気を与えています。