“woman Driving” By:Tribes of the World CC BY-SA 2.0

2017年9月26日にサウジアラビア外務省は、国王令によって女性の乗用車の運転が認められることになったと発表しました。2018年6月までに法令を施行する予定です。
サウジアラビアはイスラム圏の中では最も厳格な国で、イスラム法の独特の解説に基づいて女性が乗用車を運転する権利、長年厳しく制限をしていました。それ以外にも制限された女性の行動として、外出、旅行、働き、医療サービスを受ける時などに男性の保護者の同伴が必要となっています。ところが近年、サウジアラビアでは、女性解放の動きが頻繁に行われ、その中でも、女性が乗用車を運転する権利を求める運動が最も活発でした。
運転解禁の法令を出すまでサウジアラビアでは世界で唯一、女性が乗用車を運転する権利を認められない国でした。車を運転しているところがみられると、500リアル、約13000円以上の罰金が科されるだけではなく、逮捕されるケースもありました。2011年にある女性は自分が運転する動画をネットに投稿したことで逮捕されました。
また、乗用車の運転許可が出たのは競技会場に女性の入場を認める法令が出た数日後でした。9月26日までに女子学校に体育の導入が認められたほか、9月23日に開かれた建国記念日のイベントに女性の参加も初めて認められ、花火や伝統的な踊りなども行われ、男女とも参加しました。
サウジアラビア女性は基本的に外出時の移動は保護者か雇われた運転手が送り迎えを行います。しかし、運転が認められたことによって、運転免許を取得するための外出または取得後に独自の車での外出は保護者の同伴の必要がなくなります。
サウジアラビアは社会的に様々な変化を起こすきっかけになったのは、2017年6月に副王太子から王太子に昇格したムハンマド皇太子の主導で経済改革計画「ビジョン2030」が立てられたことです。2015年には世界市場において石油が値下がったため、サウジアラビアは脱石油依存を目指し、新たな方針で経済を多角化させる目的です。そのため、働く女性を増やすなど女性を支持することをはじめ、根本的な変化をしようとしています。経済動向だけではなく、社会的にもそういう変化が行われています。「国民の豊かな生活を保つには改革をしなければならない」とムハンマド皇太子は強調しています。
新しい変化に対して国民は正しい決定とみて大歓迎した人は多かったです。一方、保守派からこの変化はイスラム法に違反する行動だと強調し、反対の声もあがりました。
サウジアラビアはまた、外国人観光客にとって世界一入国が厳しい国と知られています。しかし、ビジョン2030においてこれから多くの観光客を受け入れる方針です。そして、漠然として厳しい規制がかけられている映画館や音楽コンサートといった娯楽においても、これから国内で幅広く提供される方針です。
こうしてグローバル化に向かうというこの大きな一歩は、サウジアラビアにとって歴史的な変化となります。様々な改革によって国内に止まらず、世界各国との文化交流などが広がり、サウジアラビアで活躍できる企業が増え、経済にでも影響を及ぼすことになるでしょう。