“Returning ~ Shibam, Yemen” By:Martin Sojka CC BY-NC-SA 2.0

イエメンはアラビア半島の南端に位置するアラブ諸国の1つです。2015年から国内で紛争が始まり、政権側と反政府側の対立が激しくなり、治安が乱れています。ユニセフは、2017年6月イエメン情勢が急激に悪化していると発表しました。

調査によると、2017年6月には毎日1千人の子どもが激しい下痢などが原因で来院しました。また、現地で活動している世界保健機関(WHO)によると、6月だけで、コレラが原因の死亡者が532人にのぼり、そのうち109人が子どもでした。コレラ流行がここまで拡大した原因は、2年以上続く紛争による避難、水不足による衛生環境の悪化、栄養危機が挙げられます。また、現地医療施設では2016年9月から給与支払いが停止し、医療が崩壊していること、貧困化によって市民が医療を受けられないこと、そして国際援助が滞っていることも要因です。そんな状況で苦しんでいる約2700万人以上の多くは女性や子どもです。

現地在住のユニセフ代表によると、国連がイエメンに対して今以上の支援を行わない限り、状況は更に悪化するだろうということです。更に伝染病が広がり、大勢が亡くなる恐れもあります。そのため、イエメンではコレラの流行に対する「警報」が続いています。

ユニセフはこの悲惨な状況に対応し、5万人分の薬や予防接種をイエメンへ送りました。

現地で活動している国境なき医師団(MSF)の活動責任者によると、「コレラは早期に対応すれば治療可能な病気だが、来院時には既に手遅れというケースもあった」ということです。

国連の調査では、イエメンの紛争が始まって以降、死亡者は数千人、自宅から追い出された人は百万人以上にのぼることが分かっています。

紛争が発生している間はコレラのような伝染病を広げないようにコントロールすることが難しいのです。こういった状況から紛争は、治安を悪化させるだけではなく、生活環境までも悪化させてしまうことが分かります。紛争が長引くことにより、今以上に危険に晒される命増えてしまうことが懸念されます。