“Brave New World” By:Daniela Hartmann CC BY-NC-SA 2.0

米ネット通販アマゾンは2017年3月28日に中東最大の同業「スーク・ドット・コム」を買収すると発表しました。買収取引の手続きが2017年内に完了するとみられます。

スーク・ドット・コム社の名前、スークはアラビア語で「市場」を意味します。このサイトは2005年にUAE発の家電製品の販売サイトとしてスタートしました。年々利用者が増えると共に取り扱い商品数が拡大し、現在は中東において最も利用者が多く、月間の訪問者数は4500万人を超えます。配送エリアはUAE、サウジアラビア、エジプトなどの中東域内40都市をカバーしています。ファッションや家電、家庭用品を含めて約840万品以上を扱っています。世界のネット通販市場においては規模が大きいとは言えませんが、利用者は毎年60~90%ずつ急成長しているため、アマゾン以外に世界中の企業が注目する買収案件でした。

スーク・ドット・コムの共同創設者Ronaldo Mouchawar氏は、このように話しています。「我々がアマゾンの一部になることで、配送能力を向上させ、顧客の選択肢を大幅に拡大できるメリットがあります。また、買収が成立した後でも、従業員の仕事に変化はなく、今までの業務を続けることになる」。

スーク・ドット・コムは、会社の30%を売りに出しており、アマゾン以外にもUAEのショッピングモール運営大手、エマールモールズが8億ドルの買収額を提示していました。そこでアマゾンは、一部が他社に買収されないようにスーク・ドット・コムを会社ごと買収しました。買収額は公表されていませんが、関係者によると、アマゾンの買収額はエマールモールズの提示額を下回っているようです。アマゾンはこれまで海外展開に巨額の投資をしてきましたが、他社を丸ごと買収する例は多くはありません。

アマゾンによると、この買収は、これまで事業を行ってきた先進国と異なる商品ラインナップや物流・配達条件を持つ新興国において、今後も事業拡大する上での足がかりとなります。

スーク・ドット・コムの利用者は、「これからサイトのサービスがさらに充実し、購入できる商品が増え、欲しいものを手軽に手に入れることができる」と期待しています。

世界各国で「ブラック・フライデー」が導入されていますが、スーク・ドット・コムは「ホワイト・フライデー」と名称を変えて導入しています。お得な商品が多数提供されるため、多くの利用者が注目しています。

UAEには3000近くのショッピングサイトがあるため、激しい競争が続いています。しかし、今回の買収で、UAEに留まらず、中東各国でも競争がさらに激しくなるでしょう。