エチオピアの首都であるアディスアベバは、近代化が急速に進んできている街では高層ビルの建設が増加しており、その多くにエチオピア製のエレベーターが設置されています。

エチオピアの地場メーカーはDan Lift Technologyという会社で、エチオピア国内で60%以上のシェアを持つエレベーターやエスカレーター専門の会社です。Dan Lift Technologyはエチオピア人のDaniel Mebrahtu氏が設立した会社で、エチオピアのエレベーター業界において、ISO 9001:2000認証を取得した唯一の企業です。

アディスアベバは標高2,400メートルで、酸素濃度が薄いため、外国人にとっては2階分の階段を上り下りしただけでも、息が切れる場合が多いです。そのため、なるべく階段を避けるために、エレベーターに頼っています。

2007年6月にDaniel氏が会社を設立する以前は、海外から輸入されたエレベーターのみでした。しかし、紛争に遭ったエチオピアはその情勢の影響で輸入が成立しない状態でした。次第に海外製部品を確保できなくなり、修理ができず、アディスアベバのエレベーターが続々と使えなくなってしまいました。

こういった状況下Daniel氏はある暑い日、アディスアベバ内で行われる会議に参加するため、9階まで階段を上りました。しかし、その会議に参加する予定だった妊娠中の女性は9階まで上りきれないため、会議に参加できませんでした。そういった状況を知り、「自分が何とかしたい」と、自分で設計を始めました。その後、エレベーター製造だけではなく、スチール家具製造にも事業拡大しました。自社エレベーターの設計や設置の事業も行っています。他社エレベーターの修理への対応も可能です。現在、従業員は300人近くおり、Daniel氏は創業者最高経営責任者を務めています。

Dan Lift Technologyで行うエレベーター製造は、海外から様々な部品を輸入しているため、出来上がったものは100%自社のブランドとは言えません。その中には日本製の部品も含まれています。

さらに、エチオピアに留まらず、ジブチやソマリアというアフリカ諸国への輸出も行っています。今後もさらに国外への輸出を拡大する予定です。

Daniel氏の話では、「事業が成長したのはエチオピアにはしっかりとした知的所有権のシステムがあったためです。この事業が多くのエチオピア人に知られることで、知的所有権への理解も深まりました。自分が発明した権利が守られることで発明家にとってやりがいのある仕事と理解されるようになりました。

Dan Lift Technologyメーカーは今後、日本からより多くの部品の種類を調達したいと考えています。そして、さらに競争力を高め、アフリカ諸国だけではなく、世界の各国への事業拡大を望んでいます。