2016年7月を皮切りに、世界初のゼロMIKA運動がモロッコで行われています。MIKAとは元々モロッコ方言のアラビア語で「プラスチック」を意味します。ゼロMIKA運動とはプラスチック製レジ袋の根絶を目的としています。その動きの一つとして、政府がレジ袋の製造、販売、輸出入について全面禁止する法律を施行しました。

モロッコにおけるプラスチック製品のうち、レジ袋の生産量は全体のおよそ20%を占めており、その消費量はアメリカに次いで、世界2位となっていました。国民1人当たりの消費量は年間900枚、すなわち一日に約2.5枚になります。更にそのレジ袋はモロッコの至る所に不法投棄され、景観を大きく損ねるという社会問題にまで発展してしまいました。

レジ袋の使用を禁止することは、健康や環境への影響について理解を深めるきっかけとなり、地球環境保護につながると考えられています。モロッコでこの法律を施行することによって、過剰な消費量を限りなくゼロに近づけることが可能であると考えられています。そのため、政府はレジ袋の代わりに、布や紙製の買い物袋を推奨しています。しかし、以前は無料で配布されていたレジ袋が、有料になり、最も安い買い物袋でもおよそ1モロッコ・ディルハム(10円)で販売されることが国民に理解されることは難しいことです。

販売、製造違反行為を犯した場合、1万~100万モロッコ・ディルハム(10万円~1000万円)の罰金を科すことになります。しかし、プラスチック製のごみ袋や農業用・冷凍用袋など、定められている用途範囲に限り、違法になりません。

このゼロMIKA運動により、レジ袋の生産企業やその工場等、全国約800箇所以上が閉鎖に追い込まれました。それにより、約5万人が職を失いました。政府は、事業変更するいくつかの企業へ資金援助をしましたが、支援されていないところも多くあります。しかし、支援を受けた事業者でさえ、変更に与えられた期間内で必要な設備が間に合わないところが続出し、社会問題になっています。

ゼロMIKA運動にはこのように様々な問題が発生しているため、ほとんどのモロッコ人はこれに反対しています。この問題よりも深刻な社会問題を解決するべきだと政府に訴えています。とは言え、実際に法律が施行されたため、レジ袋以外の買い物袋の需要が増えてきたことも事実です。販売・製造者に対する問題を政府がこれからどうやって解決していくのか、今後の対応が注目されることでしょう。