アフリカで愛される缶詰「GEISHA」

canned fruit bordelloBy: PROromana klee CC BY-SA 2.0

食品商社「川商フーズ」が西アフリカのナイジェリアやガーナなどで販売しているサバ缶「GEISHA(ゲイシャ)」は半世紀以上にわたり、現地の食卓で国民食として人気を集めています。缶詰の蓋や側面には、扇子を手にした芸者の絵があしらわれています。現地で「ゲイシャ」といえば、一般的にサバ缶の事をさすほどのブランド力を持っています。
GEISHAの歴史は古く、今から104年前に川商フーズの前身である旧野崎産業が、米国向けにカニやミカンの缶詰を生み出しました。その際に、当時外国人向けのお土産として芸者の絵が人気だったことから「ゲイシャ」を商品名としたのです。その後、戦後間もなく、政府による缶詰産業振興プロジェクトの一環として、安価なサバを使った缶詰にも「GEISHA」ブランドがつけられ、世界各地に輸出されました。その中で根付いた地域の1つがガーナとナイジェリアを中心とするアフリカだったのです。
特に人気なのが、サバのトマトソース煮です。同社はアフリカでは魚が好まれて食べられていることに目を付け、展開を決めました。その後、高タンパク質で保存がきくという特徴によって現地に受け入れられていったのです。155グラム入りが日本円で80円前後、425グラム入りが250円前後で販売されています。昼食が1食250円程度で食べられる現地の物価水準からすると決して安くはないのですが、根強い人気を継続しています。
同社は現在、ゲイシャ缶を中国で生産し、ガーナとナイジェリアに輸出しています。年間輸出量はナイジェリア向けが約三千万個、ガーナ向けが約一千万個に達しています。また、サバ缶の市場シェアは両国の約5割を占めています。その人気のぶりは、スーパーの棚に商品が並ぶと、すぐに売り切れてしまうほどです。現地では、GEISHA缶詰のサバのトマト漬けには類似商品も存在するほど人気であり、GEISHA缶詰の告示看板には偽物への警告も描かれるほどです。また、日本では未販売であるものの、個人輸入で取り寄せるファンもいるそうです。
日本人の知らないところで、川商フーズのGEISHA缶はアフリカの国民食となり、現地の人々から愛されています。また、BOPビジネスとしてガーナに缶詰工場を建設し、現地。国民食として欠かせない存在となっているだけではなく、アフリカ社会への貢献を目指す川商フーズは今後ますますアフリカ人の生活に根差した会社となっていくことでしょう。