歴史上最悪の難民問題に直面しているシリア

Syrian RefugeesBy: Freedom House Mark 1.0

現在、世界的な問題となっているシリア難民。2011年からシリア人口の半分にあたる約1200万人が紛争によって故郷を追われており、そのうち760万人が国内避難民となっているとUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は報告しています。彼らは主に近隣国であるヨルダン、レバノン、トルコへと避難している一方で、エジプト、サウジアラビア、アルジェリア、イラクのクルディスタン地方に住居を求めている人々もいます。そもそも難民とは、人種、宗教、国籍、思想などを理由に迫害を受けている人々、自分の国を追われている人々、国の保護を受けることができない人々を指しますが、彼らは今、避難先でどのような生活を送っているのでしょうか。
ユニセフの報告によると、シリア国内では現在約200万人の子どもが学校に通うことができない状況にあります。さらにこの数カ月では、シリア国内で暮らす最大500万人が、長期にわたり、時には意図的に行われる断水に苦しめられてきました。WHOによると、シリア国内の半数以上の公立病院が、十分に機能できていないか、完全に閉鎖しています。また、紛争の影響により数百万人の子どもが、避難を余議なくされる、身体に障害を負う、孤児となる、迫害を受ける、3~4年教育を受けられていない、という状況に陥っています。紛争による精神的ショックで心のケアを必要としている子どももいます。UNHCRの報告書では、lvraというシリア北部コバニで生まれ育った13歳の少女の例が挙げられています。それによると、彼女はスポーツと英文学が大好きな優秀な生徒でした。しかし、ある日、紛争が彼女の学校と家を襲い、彼女の人生を大きく変えてしまいました。流暢に英語を話すことができる彼女は、今トルコに避難した多くの難民の1人となっているのです。
一方で、難民キャンプに留まる生活をやめ、新たな人生を開こうとする難民も多くいます。3年半前にエジプトに避難した、シリア西部の都市ホムス出身である52歳のRakan Abul-Kheirさんもその中の1人です。彼は、エジプトで衣料品店を開き、その後、シリアの食品を販売する店も始めました。
数百万人の難民はシリア隣国のキャンプでは援助も受けられない状態です。そんなキャンプの状況に将来を見出せず、また二度と祖国には戻れないことを悟った彼らの多くがヨーロッパでよりよい暮らしを営む為に、危険で不安定な旅を始める決意をしています。今年に入って、ヨーロッパを目指した難民は約40万人にのぼりますが、そのうちの約4割がシリアからの難民でした。EUでこれらの難民対応について論争が起こり、各国で意見が分かれています。
シリア情勢は政治的解決が難航しており、武力対立が続く状況下で、紛争の影響を受ける人の数は今後も増え続けると予想されています。現在、住居と日常生活の破壊は祖国に戻ることを阻害する大きな要因であり、依然として被害は拡大しています。
(パンオリエントニュース)