深刻な水不足に悩む国々:中近東諸国

干上がったユーフラテス川” 

水不足は干ばつ、天候の変化、公害、人口の増加などさまざまな理由で起こります。中でも人口の増加は工業用水、農業用水、生活水の増加を伴い、世界銀行によると21年ごとに水の需要が倍増しています。敵対行為の多い中近東諸国では、必要な水を確保することは政治の最優先事項となっています。たとえばイスラエルとシリアの最近の協議では水は議論の多い問題になっていますし、イラクとシリアとトルコは共通の川の使用について常に対立しています。
特にイラクでは問題が多く、環境問題にも発展しています。トルコで建設されたたくさんのダムの影響で深刻な水不足に陥り、ティグリス・ユーフラテス川が干上がっているそうです。イラクの水資源省はトルコとシリアとの水の共有化を目指して、ユーフラテス川の水が減少し始めてからずっと協議を呼び掛けています。
ほとんどのアラブ諸国、特に湾岸諸国が砂漠の天候と、人口と開発計画の急激な増加のために飲料水不足に悩んでいます。十分な水の供給をもたらす解決法として海水脱塩が期待されています。世界の120カ国に11,000の脱塩工場が存在しますが、そのうち60%が中近東にあります。この施設は、サウジアラビアのジュバイルにある工場から脱塩処理水をパイプを通して320km離れた首都リヤドまで送るなど、水資源の確保のために多くの国で採用されています。世界最大の脱塩工場はアラブ首長国連邦のジェベルアリにあり、この施設は多段フラッシュ蒸留を用いて年間3億立方メートルもの水を生産しています。
これらの施設建設に関わっている日本企業もいくつかあります。東レはサウジアラビアの紅海沿岸にあるコンビナートの脱塩処理に使うハイテク膜を受注しました。2005年にはクウェイトに一日318,000トンの水処理ができる世界最大の汚水処理施設が誕生しましたが、この時も東レ製の逆浸透膜が採用されました。他の施設には日立造船や三菱重工、東洋紡、日東電工などが関わっており、多くの利益を得ています。
水の確保は今世紀最大の課題になるでしょう。もし飲み水の入手が確保されなければ将来の政治的火種になりかねません。最新技術の投入は商売取引だけではなく、人命を助け、戦争を防ぐことになるでしょう。
(パンオリエントニュース)