アラブ諸国のバレンタインデー: ヨルダン

“バレンタインの反対の意味を込めて塗られた赤いロバ:ヨルダン”

アラブ諸国において、西洋のバレンタインデーは歓迎されている場合と批判されている場合があるようです。愛を表現するいい機会であると捉えている人々もいれば、保守的な宗教関係者などは、アラブやイスラムの伝統や価値とは合わない西洋の文化であると考えている人々もいます。今年のバレンタインデーは、この二つの考えの違いが浮き彫りになりました。
ヨルダンのラムサという街では、ロバを真っ赤なペンキで塗り「我々は西洋の流行をむやみに追うべきではない。むしろ、西洋の国々がアラブ諸国にもたらした害について考えるべきだ」と主張しました。しかし街の人々はロバにこのような扱いをした飼い主に批判的でした。(写真左は真っ赤なペンキを塗られたロバ)穏健な宗教指導者たちの意見はほぼ一致しており、バレンタインデーを祝うことは、人々の行いがイスラム教の教えに背きさえしなければイスラム教には反していない、というものです。
しかしサウジアラビアでは、イスラムの慣例にバレンタインデーのようなものは存在しないとの理由からそれを祝うことを禁止した聖職者もいました。また、バレンタインデーを「モハメドデー(イスラムの預言者の名)」に制定し、その日に普段よりも濃いお化粧をした少女たちを批判した人たちもいました。しかしバラの売り上げは伸び、2月14日のバラの値段は普段の3倍にも跳ね上がったとのレポートがありました。エジプトでも2月14日は記録的な花の売り上げがあり、現地のデータによると、年間売り上げの10%を占めたということです。
バレンタインデーに使われるお金に関しても賛否両論あるようです。バレンタインデーに反対のグループは、意味のないプレゼントにお金をかけるのではなく、勉強に必要な道具などを買うようにと若い男女に助言しました。シリアでは、バレンタインに使おうと思って貯めていたお金をガザの被害者に寄付したグループもいました。
日本では2月のチョコレートの売り上げが年間の何割かを占めるなど、通例の国民的行事となっていますが、西アジアや北アフリカ諸国では、日本やほかのアジアの国々のように、西洋の文化がすんなりと受け入れられる訳ではないようですね。
(パン・オリエントニュース)